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カワサキ650W1S
・東京都 M.T 様 ご依頼品
・グンゼ産業 1/12 Scale プラモデル

 

カワサキの高速バイクの走りと言える存在が、この650W1です。もとは目黒製作所が開発したシューティングスターの流れをくむマシンでしたが、カワサキとの吸収合併に伴いカワサキ側からの改良を加えられ、最終的にこの650W1として市場に出回りました。
名前の由来にもなっている、1966年当時では最大の排気量624ccのパワーが最大の特徴で、カワサキ伝説のバイクとしてZシリーズ等と肩を並べる存在です。
本機はマイナーチェンジを繰り返して国内外問わず愛用され、1974年にW3Aの発表を最後に初期Wシリーズの系譜は幕を閉じたのでした。
今回は国内向けのツインキャブ仕様W1S(スペシャルワン)を製作しました!

本キットはグンゼ産業(現GCIクレオス)が1980~1990年代に発売したキットで、最大の特徴として金属パーツやビニール素材のパーツをふんだんに採用して精密感を演出している事が挙げられます。プラモデルの体裁はとっているものの、全体の割合ではプラパーツの方が少ないという驚きの仕様です。最近ではモデルファクトリーヒロやスタジオ27といったガレージキットメーカーでこの手のフルディテールキットは普及しておりますがどれも数万円する一方で、本キットは当時では高価な部類に入るものの5千円前後で販売されており、内容を考えると破格の仕様でした。
金属パーツはそれぞれ磨き出しをする必要があり、ホワイトメタルの部品は接合部の精度が出ていない物もありますので、都度擦り合わせをして調整する必要があります。またエキゾーストパイプのパーツはまっすぐな状態で入っている為、実車に合わせて曲げなければなりません。一発勝負なので、慎重に行いましょう!
最大の難所はスポークです。実車と同じ工程で一本ずつ張る必要があり、順番を一カ所でも間違えるとカタチにならなくなる為、何度もホンモノと見比べて組み合わせがずれないように組み込んでいきます。もはやプラモデルのストレート組みと言えないこの高精度な作業の数々が、完成すると一気に報われるのです!

塗装は金属の地が活かせる部分はそのまま、他の部分を塗っていきます。プラパーツの一部はメッキ処理が施されていますが、金属元来の輝きを活かしていくとメッキパーツの雰囲気が浮いてしまう箇所がありますので、一部はメッキを落として塗装で表現しました。タンクはウレタンコートを施します。

塗装後の組立てが最後の関門です! 付属のゴムチューブやスプリングを駆使してパイピングを施していきます。他のプラモデルではディテールアップパーツとして後付けするものが、全てキットに付属しているので嬉しいやら大変やら・・・と言った感じですね。そのお陰で、他のモデルとは一線を画する密度感になります。
完成したマシンは、ホンモノをそのまま縮小した様なハイエンドモデルに仕上がりました!
現在絶版で入手の難しいキットですが、巧みな素材選びやパーツ構成(と組立ての難しさ)で現在のプラモデルにはない輝きがありますので、どこかで見かけたら是非手に取ってみて下さい。