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「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」より
MSN-04 サザビー  
・フクシマ県 A.M 様 ご依頼品
・バンダイ  1/100 Scale プラスチックモデルキット


赤い彗星最後の乗機として愛され続けているサザビーは、プラモデルや完成品等で立体化される機会が非常に多く、その度に体形やディテール等に新しい解釈が盛り込まれアップデートされ続けています。中でもサザビーの決定版と言えるキットが2014年に発売されたMGVer.Kaで、アニメとは異なる雰囲気やギミックが盛り込まれた様はMG初期の路線を彷彿とさせつつも時代の最先端を行く姿を見せてくれました。
そんなキットをとびきり高いグレードで作ったら、どうなるだろう・・・そんな疑問に弊社は今回の作例でお応え致します!

キットの基本的な素性に関しては、以前製作した作例をご参照下さい。→サザビーVer.Ka

今回はお客様から「ウレタンコートを施したピカピカのボディ」と「バーニア等の要所にメタルパーツを使用して精密感アップ」のご希望を頂きました!
まずは全身に組み込むメタルパーツについてです。最近では他社からガンプラに対応したメタルパーツが販売されており、今回はそうしたパーツを入手して全身に組み込みました。しかし対応しているとはいえ無加工で取付けられる部品はないので、部位ごとに部品がはまるように加工する必要があります。
バーニアはほぼ全てメタルパーツに置き換え、中心には細い芯を組み込む事でより精密感を演出しました。
全身のフレームを塗りわけて、メタルパーツを組み込むと・・・素組では絶対味わえないものすごい密度に! 装甲をはめ込んでいくと殆ど見えなくなってしまうのですが、今回のサザビーはハッチオープンギミックや強襲モードへの可変機構の恩恵であちこちのフレームがチラッと見えるので、ディテールアップとして十分な効果を発揮しました。

全身のメタリックレッドはお客様ご指定の資料に合わせて表現しました。まず全体をカッパーの様なオレンジメタリックで塗装し、その上からクリアーレッドを重ね吹きして光量によって色味が変化する深みのある赤に仕上がりました。キャンディ塗装とも呼ばれるこの手法はとても美しい色を出すことが出来る一方で、ちょっとでも失敗すると色が部品ごとに全く異なってしまったりクリアー色が逃げたり溜まったりしてしまう等、非常に難しい塗装方法でもあります。プロモデラー集団である弊社だからこそ実現した美しさですね!
ちなみにスカートアーマーにワンポイントで入れたシャアのマークはVer.Kaのキットには付属しておらず、弊社でデータから作成してデカールを貼り込みました。

今回最大の山場が装甲全体に施したウレタンコートです! 弊社でカーモデルや鉄道模型等で使用するウレタンクリアーは、もちろんメカ系キットでもバッチリ使えます。気をつけたいのは、メカ系キットはスケール系に比べてパーツ数やモールド、面構成の複雑さが段違いに増えますので、全てのパーツの全ての面にウレタンを均一に乗せるには相当な技術と注意力が要求されます。
コートして触れるようになったら、表面にのった小さな埃やゴミを磨きとる磨ぎ出しの工程を行います。車等と違い凹凸が激しい部品だらけですので、少しでも力の加減を間違えると出っ張りの角の色が取れてしまう! なんて事が起こってしまいます。綺麗に磨き出すのはもちろんですが、部位ごとに力加減を変えないと、美しい表面に仕上げることは出来ません。

最後の組立てですが、ここで注意点が御座います。
今回コートしたウレタンクリアーは化学反応によって「硬化」したことでこの様な美しい表面ができています。平たく言えば薄い樹脂が重なってる状態ですので部品が通常通りの塗装よりも厚く強固な塗膜が形成されており、普通ならぱちっとはまる部品が塗装後にはまらなくなってしまっている・・・なんてことが起こります。力が加わると表面のコートにひびが入ってしまいますので、一つ一つ負荷が掛からないようにはまる面を削る等して調整しながら組立てる必要があります。最後の最後まで一切気が抜けません!
調整の甲斐あって、全ての装甲展開ギミックを損なう事なく完璧な状態で完成にたどり着けました。

加工から塗装・組立てまで、全ての工程で弊社の技術の粋がつぎ込まれたサザビーが遂に完成です! その圧倒的な存在感は、わざわざ文章で書く必要はないかもしれません。対応LEDを組み込み、モノアイを発光させるとまるで実際にサザビーが動いているかの様な錯覚を覚えます!
完成したキットは無事お客様の手元に届き、とても喜んで頂けました。