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相模鉄道6000系電車
・神奈川県 T.M 様 ご依頼品
・1/80 Scale (HO) ブラス完成品リペイント

神奈川県を走る相模鉄道において初めて導入された自社製20メートル級通勤車輛が、この6000系です。6000系は2種類有り1961年に採用された方が旧6000系、1970年の方が新6000系と区別されており、今回は旧6000系を製作しました。
当時輸送量に難があった相鉄5000系をはじめとする車輛に替わるべく導入され、1輛単位で編成が変えられる柔軟な設計や20メートル級車体に両側とも4扉が設けられて輸送力が大幅に増強しました。優れた設計からこの時の相鉄を代表する車輛になります。
旧6000系にも時期によって形態が異なり、今回製作した車輛は車輪外側にディスクブレーキが追加されたタイプを再現したモデルです。このユニークな設計は元々採用されていた直角カルダン式駆動と併用する為に、本来内側に付くディスクブレーキを外側に設けざるを得なかった背景がありますが、結果として旧6000系の大きな特徴として知れ渡る事になりました。
今回は旧塗装仕様の車輛を再現します!

本作例はお客様が所持していた完成品をリペイントしたものなのですが、委託品を入手されたとの事で基キットの出典は明確ではありません。お預かり時から旧塗装で塗り分けられていましたが、塗り分けの精度や色の再現度に難があり、ディティールアップを施した後に全体リペイントという運びになりました。
色を剥がしてジャンパ栓や手すり等の細かな部品を追加していきます。資料の調査時に新旧の6000系が混合しやすい点が厄介でしたが、新6000系はテールライトの上に丸いヘッドライトが付く他あちこちに形状の差異が御座いますので、その点を把握すれば間違えずに作業が進められます。
ディティールアップをしたらリペイント! ・・・の前に、元々取付けられていた部品にハンダの残りがないか再度チェックします。完成品ははじめの状態で気にならなくても色を落としてみるとハンダの残りがあちこちにある場合があり、塗膜の厚みでごまかされていたという事がよくあります。弊社ではなるべく塗膜を薄くシャープに仕上げる事をモットーにしており、そのまま仕上げるとはじめは気にならなかったハンダが目立ってしまうことがある為、この段階で再度キサゲを施してより美しい状態に仕上げます。

いよいよリペイントです。実車資料を基により本物に近い色を調色して作ります。古い写真しか無いものはその写真の保存状態により色味が大幅に変わってしまうことがあり、この場合は出来るだけ写真を集めて最も似通った色味を割り出して色を決めて行きます。今回は特に緑がかった紺色の再現が難しく、最も本物に近い色味に到達するまで調整を重ねました。
さてこの車輛で最も難しいのは、細い赤や白が入るライン塗装です。量産品の場合細いライン表現のために先にラインの色を塗装してから細いマスキングテープでおさえて、本体色を全体に吹き付けて仕上げとします。この方法なら均一な太さのラインを容易に表現出来るのですが、ラインが本体色より濃い色の場合は本体色を発色させる為に何度も色を重ねなければならず、塗膜が厚くなってしまいます。まして今回は赤のラインが濃い部分にも薄い部分にも入る為、塗膜を薄く仕上げつつも綺麗なラインを出すことが非常に難しくなりました。それでも画像をご覧頂く通り美しいラインに仕上げられたのは、これまでの技術の蓄積の賜物です!
薄く仕上げる様心がけても、若干の段差は生まれてしまいます。その際はクリアコートの前に細かい番手のサンドペーパーで薄く磨き、色を剥かない範囲で段差を取ってあげれば綺麗に仕上げられます。更に今回はウレタンクリアー仕上げですので、より段差が目立たなく仕上がりました。

完成した相鉄6000系は、この世に二つとないスペシャルな仕上がりとなりました。
一見そう見えないかもしれませんが、弊社で受けて来た車輛の中でも屈指の難易度を誇る塗り分けでした。今回のようなリペイントをお考えの方は、ぜひ弊社にお問い合せ下さい!